欧州人権裁判所が気候変動で歴史的判決、スイス政府に影響大 - 緑のレンタル | グリーンポケット          

小さな森づくりコラム

  • 2024.04.22

    カーボンニュートラル

    欧州人権裁判所が気候変動で歴史的判決、スイス政府に影響大

    小さな森の環境緑化

    49日、欧州人権裁判所は地球温暖化を促す気候変動問題に関する重要な判決を下しました。イギリスのBBC放送は「歴史的一歩」と報じ、同裁判所は国際的に大きな影響力があることから、今後の気候変動問題における判決が注目されています。

    〇異常な熱波が原因で健康被害が生じている

      この裁判はスイス政府の気候変動対策が不十分だとする、市民団体の主張が認められたものです。スイスのSenior Women for Climate Protectio(気候保護のためのシニア女性)という市民団体の70代を中心とした女性たちが、スイス政府を相手に「熱波のため健康被害が生じている」と欧州人権裁判所に訴えました。欧州人権裁判所は「CO2排出削減目標を達成するためのスイス政府の努力は極めて不十分であり、市民の人権を侵害している」と結論付け、彼女たちの主張を認めたのです。 勝訴した同団体の76歳の女性メンバーは「私たちは、農場で子ども時代を過ごして以来、スイスの気候が変化する様子を目の当たりにしてきました。私たちはロッキングチェアに座って編み物をするために生まれたわけではありません」と話しています。   その一方で、欧州人権裁判所は、ポルトガルの若者6人とフランスの元市長が起こした別の2件の訴訟を棄却しました。いずれも原告らはヨーロッパ各国の政府が気候変動への迅速な取り組みを怠っており、原告らの権利を侵害しているというものです。特にポルトガルの訴訟は、1224歳の若者が、欧州32カ国の政府を相手取って起こしていた。原告らは、熱波や山火事の増加により、外で遊ぶことも学校に行くこともできず、気候不安に苦しんでいると主張していました。前者は原告の居住国以外を訴訟相手としていること、後者は原告がすでに居住していないことから申請が棄却されています。   以下、裁判の意義に対するBBCの記事の抜粋です。 「同裁判所で受理されたのはスイスの女性グループによる訴訟のみであったが、この勝訴は一筋の希望となった。 地球と人間の健康は密接に関わり合っている。特に高齢者と幼い子どもたちは、他世代よりも高い健康リスクに晒されているのが現状だ。 この現状に、当事者である彼女たちは自らの健康を心配するだけでなく、将来世代が生きる未来にまでも心を砕き、欧州、さらには世界をも動かしうる行動を起こした。なんと心強い人生の先輩たちなのだろう。この勝訴は、世代を超えてともに変革を進めるための歴史的な一歩となったはずだ」   いずれにせよ、国際的に権威があるとされる欧州人権裁判所が、スイスの市民団体が提起した環境訴訟とその訴えを認めた判決は、今後大きな影響を与えそうです。国が気候変動対策を怠るとは、例えばパリ協定のCO₂削減義務を怠ることも含まれ、環境問題や健康に与える影響を問題視する重要な事例となるかもしれません。 れています。近年は福祉の分野とも繋がり、新たな広がりを見せています。

       

    〇日本の気候変動問題について

      この判決は日本でも大きく報じられました。与える影響について考えると、カーボンニュートラルでは国として対応の遅れが指摘されがちなこともあり、環境保護や気候変動対策の重要性が再確認され、同様の議論が起こることが予想されます。日本発の政府を相手にした環境訴訟が起こるのは、そう遠くないのかもしれません。   何故なら、日本は気候変動の影響を強く受ける国だからです。自然災害や異常気象が頻繁に発生しています。特に大雨による被害は甚大で、被災地の人を苦しめています。毎年のように記録的な暑さや雨量のニュースが報じられ、この4月も気温差10℃以上という日もあり安定しません。すでに夏を感じる陽気となっています。   日本の場合、各自治体が独自の取り組みを行い、成果を上げています。例えば九州の熊本県は“森と水の都”と呼ばれ、第4回アジア太平洋水サミットの会場になるなど豊かな自然で知られますが、ここ数年は熊本大地震と度重なる豪雨災害に見舞われています。被災した森林を元の姿に戻し、地域の森林資源を活用した産業の再生と創出が地方創生実現のためには急務であり、様々な施策が行われています。 熊本県土の6割以上を占める森林は、木材の供給だけではなく、地下水を涵養(かんよう)し災害を防ぐ重要な役割を果たしています。しかし全国的にも、木材価格の低迷などから森林所有者の森林離れが続いています。対策として、2019年から始まった国の制度「森林経営管理制度」があります。 森林所有者から市町村が経営を引き継ぎ、林業事業者や市町村が経営を担うというものですが、受け皿となる市町村も林業担い手の減少・高齢化等から対応に苦慮しているという現状のようです。   また、「林業を支える山の人材づくり」を推進するため、2019年に「くまもと林業大学校」を開校。そして大学校の基礎課程には、航空レーザー計測・ドローンなど先端技術を活用した「スマート林業」のカリキュラムも組み込まれています。 従来のキツイ、危険、稼げないという林業に対するイメージを覆(くつがえ)すことでより多くの担い手を確保・育成することで、脱炭素社会の実現、森林資源の持続的な利用による「稼げる林業」の実現が期待されています。    こうした地道に積み上げた努力を、一瞬にして壊してしまうのが集中豪雨などの自然災害です。これは気候変動がもたらすもので、気温および気象パターンの長期的な変化を指します。これらの変化は太陽活動の変化や大規模な火山噴火による自然現象の場合もありますが、近年以降は主に人間活動が気候変動を引き起こしており、その主な原因は、化石燃料(石炭、石油、ガスなど)の燃焼、つまりCO2の増加です。かつては地球の自然が吸収できていたCo2が大気中に残ってしまい、地球温暖化が進みました。それが原因で世界的な気候変動の影響がでているのです。 今回の欧州人権裁判所のスイスの団体のように、「先月の○○地方の集中豪雨は、政府がカーボンニュートラルを進めていないため」とする訴えが起こるかもしれません。    

    〇身近な緑から始めよう

      気候変動による生活環境や健康の悪化へのリスクや不安は増々高まり、CO2に対する意識も強まります。これまで以上に、環境配慮型・健康配慮型の商品やサービスが重要視され、企業、市民が共同で取り組むべき課題として、クローズアップされていくことでしょう。先ずは身近な室内のCO2、それを吸収する観葉植物から始めましょう。   グリーン・ポケットの「小さな森づくり」は、観葉植物でお客様の環境と健康を良くしていくサービスです。観葉植物は室内空間を美しく演出するだけではありません。CO2を吸収し新鮮なO2を作りだすことで職場内の空気を浄化する働きがあります。 外気中のCO2濃度は約400ppmで、人にとっては快適な濃度です。室内のCO2濃度は低濃度であれば身体に影響を与えることはありませんが、濃度が高くなると、呼吸器などに悪影響がでるとされています。1600ppmを超すと眠気が襲い、4000ppmを超すと耳鳴りや頭痛がします。こうなると健康に悪く、換気しなければいけません。まさしく空気の入れ替えが必要なのです。恐ろしいのは20ppm、つまりCO2濃度が部屋の空気の20%を超すと死の危険があるそうです(参照:科学技術振興機構)。CO2は地球温暖化だけではなく、人の健康にまで悪い影響を及ぼすようです。少しでも減らすことが必要です。   観葉植物はこのCO2を吸収します。そして、目でみて感じる癒し効果は、ストレスを軽減します。つまり植物で心身ともに健康になることができます。グリーンレンタルは環境考慮型サービスであり、健康考慮型サービスなのです。カーボンニュートラル、気候変動という国際的な命題に、身近な観葉植物を通じて取り組んでいく。それがグリーン・ポケットの「小さな森づくり」なのです。    

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