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2024.10.28
お知らせ
意外と知らない!クリスマスツリーの歴史とオーナメントを飾る意味
ウィンターキャンペーンが始まりました。毎年ご利用いただいているお客様や初めてのお客様からも、お問い合わせが増えてきています。グリーン・ポケットの営業マンがご提案に伺いますので、観葉植物のレンタル同様、季節のディスプレイもよろしくお願い致します。
〇今年のお薦め「クリスマスツリー スターターセット
クリスマス商品のメインはやはりクリスマスツリー、屋外を飾る大がかりなものから室内のイミテーションツリーまで取り揃えています。
カタログでもご案内の通り、今年のお勧めは「スターターセット」です。これはお客様の声を反映したプランです。通常のクリスマスツリーはカタログ掲載に近いイメージのオーナメントを飾り付けて納品され、販売価格には飾り付けの作業代も含まれています。
それに対し、このスターターセットはクリスマスツリーの設置まではグリーン・ポケットが行いますが、オーナメントの飾り付けはお客様が社内イベントとして行うプランです。社員間のコミュニケーションをアップさせることなどが目的です。
これは昨年、あるお客様からこんなご依頼を受けたことがヒントになりました。「クリスマスツリーの飾り付けは当社でやるので、オーナメントは別に納品してください」というものです。理由を聞くと、社内で行っているクリスマスセールの盛り上げ策を考えている時に「全社員でツリーのオーナメントの飾り付けをして一体感を高めよう」というアイデアが出たそうです。実際にやってみると皆面白がって参加し、各部門がクリスマスツリーを七夕の笹に見立てて売上目標を飾るなど、大いに盛り上がったそうです。恒例イベントになりそうだとのことで、今年もご注文をいただきました。
グリーン・ポケットは「小さな森づくり」で、職場環境を観葉植物で改善するサービスを提供しています。こういう話は本当に嬉しいですね。飾り付けの作業代がない分値段もリーズナブルなことから、予算を抑えたいという目的のお客様からも注文が入っています。
〇クリスマスツリーの飾り付けはいつから?
今でこそクリスマスツリーに飾り付けをするのは当たり前で、カラーボールやリボン、雪の結晶など、様々な種類のオーナメントがツリーを彩ります。このクリスマスツリーに飾り付けをする習慣が生まれたのはいつ頃かというと、実はそんな昔のことではないようです。資料として残っているもので1600年代ですから、クリスマスの長い歴史を考えると最近の話に近いのかもしれません。
先ずはクリスマスツリー自体の歴史をたどると、諸説あって定かではありませんが、キリスト教をドイツに布教しようとした宣教師が起源といわれます。ドイツには古くから樹木信仰があり、特に樫の木には神様が宿るとされていたそうです。樫の木は常緑樹で、真冬でも葉が枯れないことから、永遠の命=神様がいるという考えが浸透していました。キリスト教の宣教師は、そんな樹木信仰を持ったドイツ人をキリスト教に改宗させるため、ドイツ民の前で樫の木を切り倒すとそこからもみの若木が生えてくる奇跡を起こしたと言われています。この「モミの木の奇跡」でドイツにキリスト教が普及したようです。樫の木と同じ常緑樹であるもみの木は、キリスト教徒にとっても神聖な樹だったのでしょう。いかにもヨーロッパ神話の世界ですね。
クリスマスツリーの飾り付けに関しても、1600年頃にドイツのエルザス地方でもみの木に金箔やお菓子などを飾ったという話が残っていますが、キリスト教的な要素として定着したのは、クリスマスイブの夜に恒例として教会で行われるようになった「神秘劇」が原因とされています。
この劇はアダムとイヴが禁断の果実を食べて楽園を追放される物語ですが、その舞台の重要な演出として、もみの木がもちこまれました。そしてそのモミの木には、アダムとイヴの罪を象徴するリンゴと、その罪をあがなうためにキリストが犠牲となったことを示すホスティア(質素なパン)の両方が、飾り付けられました。
これは、人間を死へと導くリンゴに対置して、生命を与えるパン、即ち愚かなる人間と偉大なキリストへの感謝を飾るという意味が込められているのです。本来ならリンゴの木を使うところでしょう。しかし冬の時期で貧相であり、緑を保つもみの木が選ばれたということです。
これが今日にまで繋がるキリスト教的なクリスマスツリーであり、オーナメントの飾り付けの始まりとされています。あくまでも言い伝えが多く、真偽は定かではありません。
クリスマスツリーを飾る風習はドイツ以外ではなかなか浸透しなかったようですが、ドイツ以外で最初にクリスマスツリーを飾りだしたのは1841年のイギリスという記録が残っています。当時の英国王室のヴィクトリア女王がドイツ人と結婚し、クリスマスツリーの飾り付けを王室に広めたことがきっかけといわれています。その後一般民衆にも一挙に広まり、近隣国にも伝わっていきました。
〇日本に伝わったのは幕末の動乱期
日本に初めてクリスマスツリーが伝わったのはいつ頃か、意外にも1860年という資料がありました。これもドイツが関係しています。
時は江戸時代末期、鎖国していた日本がペリーの来港を受け開国した2年後のことです。アメリカに続けてヨーロッパ各国とも開国し、ドイツ(当事はプロイセン王国)とは1860年に開国の約束をしました。そのときに来日したプロイセン王国代表のオイレンブルク伯爵という人が、滞在先の大使館でクリスマスツリーを飾ります。これが日本で最初のクリスマスツリーと言われています。勿論ドイツから持ち込んだものではなく、当時の江戸中を探し回ってもみの木に似た木を探したそうです。飾りもすべて手に入れることができた植物や果物などを使い、手作りしたとされています。
ちなみに海外から観葉植物が入ってくるのは明治時代になってからのことですから、実物のもみの木ではなかったにせよ、日本ではクリスマスツリーの方が観葉植物より先に知られていたことになりますね。
動乱の幕末を生きていた日本人に、クリスマスツリーはどう映ったのでしょうか。あくまで想像ですが、血気走る彼らにおそらく楽しむ余裕などはなかったことでしょう。
明治時代になると、日本人の間でもクリスマスのお祝いをするようになり、ビジネスチャンスも生まれてきます。1886年、磯野計氏が日本人として初めてクリスマスツリーを飾りました。磯野氏は輸入食品や酒の販売などで知られる「明治屋」の創業者で、イギリスに留学したときに知ったクリスマスツリーを参考にして、横浜で外国人の船員のために飾ったとされています。この日は12月7日で、記念してクリスマスツリーの日となりました。
その後お店は横浜から銀座に移転し、大々的なセールやイルミネーションなど現代に繋がる展開を行っています。日本人は海外の行事を日本風にアレンジして盛り上げるのが得意です。ヴァレンタインデー、ハロウィーン、そして最もその力を発揮するのがクリスマスで現在の市場規模は2兆円といわれますが、その草分け的な存在です。
イエスキリスト生誕以来、クリスマスにはその国ごとに長い歴史と文化があります。前述の通り、クリスマスツリーの飾り付けにもキリスト教的な教えや深い意味合いがあるのです。今のきらびやかで楽しいオーナメントからは感じることはできませんが、こうした歴史的背景を知ることで、クリスマスツリーへの特別感が増すのではないでしょうか。