今、注目のグリーンカフェ ~緑とカフェの融合した新しい店~  - 緑のレンタル | グリーンポケット          

小さな森づくりコラム

  • 2025.07.09

    ニュース

    今、注目のグリーンカフェ ~緑とカフェの融合した新しい店~ 

    〇グリーンカフェとは

    </ 「植物×カフェ」、いわばグリーンカフェという新しい店舗形態が注目されています。洗練された品揃えの観葉植物の中から気に入った物を選び、緑に囲まれてゆっくりと食事を楽しむ。他店では手に入らない珍しい品種やグッズを揃え、カフェの料理も食材や調理方にこだわる感度の高い客層がターゲットです。「なぜ今、植物と食が融合しているのか?」という背景に目を向けることです。それは「私たちは何を大切にして生きていくか」という価値観の変化を象徴する存在といえるからでしょう。環境への配慮、心の豊かさ、そして五感で味わう体験の重視。そうした潮流に、グリーンカフェはあるようです。 いまや東京近辺だけでこうしたグリーンカフェを多く見かけるようになりました。銀座や品川など商業地から中目黒などの住宅街、千葉や柏といた郊外地です。広い自然を意識した大型店もあれば、ご夫婦で運営されている隠れ家的な店もあります。それぞれ個性を出しているようです。その中で、東京の都心と下町という対照的な場所にある、2店のグリーンカフェに行ってみました。

        

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    </ 1店目は港区の南青山にあり、地下鉄の駅を降りて徒歩数分でした。WEB上では、都会にいながら自然に触れられる新たなオシャレスポットとして、緑に恵まれた約10,000㎡の広大な敷地内にはグリーンショップ、既存の倉庫をリノベしたスタイリッシュな建物には自家焙煎のカフェ、と紹介されています。 実際にいってみると確かにオシャレです。そしてピースフルな優しさが全体を包み込んでいました。 近隣の渋谷や表参道に比べると人通りは多くありませんが、都会の真ん中の公園といったロケーションで、見上げれば高層ビルです 。    老若男女、全ての年代の人がきていました。中でも、子供連れやグループなど若い人たちが多かったのが印象的です。ワインのイベントも行われていて、天気が良かったこともあり、賑わいを見せていました。 さんざん迷ったあと、クッカバラという観葉植物を買った友人の感想です。 「観葉植物のクオリティは高いです ね。実物の植木鉢と組み合わせて選べるのは、WEBではできない楽しさです。店員さんも感じよかった。植物屋さん+お洒落なカフェ、流行りそうですね」 駐車場もあり車で運んでいる人もいましたが、宅配便を利用する人が多かったようにも感じました。巣ごもり需要でコロナの時代は観葉植物の売れ行きが好調だという記事を何度か見ましたが、その人気振りを目のあたりにしたように思いました。 2店目は江東区の清澄白河にあるカフェです。この辺りは下町風情が残る一方、東京都現代美術館がありアートな雰囲気も感じます。その一方で、コーヒー好きには“聖地”と崇められ、日本のスタンドコーヒーのパイオニア的な店などがあるカフェ激戦地です。珈琲の味は当然ながら、店の雰囲気など差別化が求められます。 その中で、このカフェは観葉植物を店に置くことを差別化としていました。店の入口は華やかな草花が並び、店内に入るとギャラリー風に陳列された観葉植物が迎えてくれます。植物の癒しと珈琲の癒しが静かに重なり、贅沢な時間を過ごすことができました。

    〇価値を感じる空間で時間を過ごす

    </ 今回、南青山と清澄白河という対照的な街にある、観葉植物とカフェが融合した店を見て、新しい流れを感じます。これらの店は一般的なコーヒーや食事をするカフェ、そして普通の花屋やホームセンターの園芸売り場とは一線を画する特別な空間として存在していました。 このような「飲食×植物」という店舗形態は、単なるブームに留まらず、都市のライフスタイルや消費者意識の変化を映す象徴的な現象と捉えるべきかもしれません。私たちは今、「消費」ではなく「体験」を求め、「物を買う」だけでなく「価値を感じる空間で時間を過ごす」ことを重視する時代へと移行しています。 グリーンカフェは「植物に会うために訪れるカフェ」であり、なおかつ「植物を主役とした空間デザイン」である点が、従来の店舗とは大きく異なります。植物は空間に彩りをもたらすだけではありません。地球温暖化の原因となっているCO₂を吸収し、ホルムアルデヒドやキシレンといった揮発性有機化合物も吸収し、空気を清浄化します。また、よく知られているのは癒し効果、「不安」「怒り」といったマイナスの心理面を良くする効果で、ストレスフリーな環境を実現します。そんな環境を考慮した空間で時間を過ごすことに、価値を感じる人が増えています グリーンカフェはまだ広く認知はされてはいませんが、トレンドの1つであり、コンセプトもターゲットも明確です。今後の成長が大きく期待されます。

    〇ファミリーレストラン化の期待

    </   今や25兆円という一大マーケットになったファミリーレストランは、1970年代に家族連れにターゲットを絞って始まりました。ファミリーレストランの「ファミリー」は、1970年前後の流行語である「ニューファミリー」から取ったものです。戦後のベビーブーム期以降に生まれた世代で、①友達的な夫婦関係、②マイホーム志向、③ファッションやライフスタイルに敏感、という特徴を持っていました。この客層に訴求するために、すかいらーくの創業一族である茅野亮氏は、日経流通新聞の記者と「ファミリーレストラン」という言葉を作ったそうです、 アミューズメントパークになぞらえ、「家族の絆と非日常を感じる特別な場」として市民権を得ました。その後、低価格+呼び出しボタン+ドリンクバーで「家族がより安くいられる場所」も作りました。近年では1~2名でも利用できる「家族でなくても居られる場所」として、居酒屋チェーンの領域を侵食しつつあります。単身者や高齢者もターゲットとなっていくでしょう。 こうして時代とともに進化してきた現在、富士総研の市場調査時におけるファミリーレストランの定義は、①単価が500~2,000円、②注文から料理提供までの時間が3分以上、③座席数が80席以上です。飲食店として、お一人様、友人、家族、会社と殆どの客層が対象となっているので、数字上の分け方が判断しやすいのでしょう。 グリーンカフェも変わっていくことが予想されます。今は観葉植物とコーヒーが中心ですが、飲食の分野だけでも和洋中と多彩です。実際にレコードも販売している店もあり、緑と似合った音楽が流れているそうです。ファミリーレストランまではいかなくとも、同じストーリーで広がっていく可能性は感じられます。  グリーンカフェも今は観葉植物と食事の融合した店です。これがグリーンレンタルが福利厚生やSDGs、働き方開発と結びついていったように、今後様々な環境問題と結びついて大きなマーケットになっていくことは充分考えられます。飲食のビジネスにも、新しい緑の風が吹いているようです。